製品情報

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クランプレス通電技術

クランプレス通電は三相BLDCモータの120°~150°通電を高効率化する新手法です。
PWMオフサイクルに発生する回生電流を阻止することで損失を解消して効率アップします。
制御ソフトの簡単な変更だけで即実現でき、コストアップも導入リスクもありません。

   特長・さまざまな二相通電に対し親和性があり用途が広い
     ・既存の高効率化手法と併用して大きな省エネ効果が得られる
     ・変数や演算がなく簡単にプログラムでき既存回路へ容易に組み込める
 
   効果・消費電力低減:1~3%、最大20%程度も可能(当社比)
     ・進角範囲拡大:最大進角の30°まで可能(従来は10°程度)
     ・センサ簡略化:150°通電もゼロクロス検出可能

 幅広い分野で利用していただくため現在、新手法の技術を提供しています。
 本件に関するお問い合わせは テクノフロンティア(株) info@technofrontier-web.com
   ライセンサー:自社開発
   ライセンシー:モータ駆動回路メーカー向け
   ライセンス :特許取得済み1件、通常実施権及びノウハウを販売
   評価ボードあり(HC6668:120°/150°通電/センサレス、DC36V10A
    HC6668回路写真

技術説明
  PWM二相通電において、開放相の誘起電圧はオンサイクルでは中性点を、オフサイクルでは
 GND(あるいは+V)を基準に発生します。
  オフサイクルの誘起電圧が電源レールを超えると、ボディーダイオードを通ってクランプ電流
 (回生電流)が流れます。図1。この現象は通電期間の半分で発生します。
  クランプ電流により通電相はトルクアップしますが、開放相ではブレーキトルクが発生します。
   図1、
クランプ電流説明

図はローサイドアーム固定時です
ハイサイドアーム固定時のクランプ電流は
開放相から+V側へ流れます

  
  回転中にブレーキトルクが発生することは好ましい事ではなく、効率低下や騒音が発生します。
 そこで当社はクランプ電流を阻止する新手法「クランプレス通電」を開発し問題を一掃しました。
 無効電流を解消するだけのシンプルな手法なので回路を選ばず安心して使用できます。

   図2、 下図はHDD用モータを従来方式でセンサレス120°通電した波形です。
       赤い矢印がクランプ電流で誘起電圧と逆向きとなりブレーキトルクが発生します。
       図はU相のみですがV相もW相も同様なので6区間全部でブレーキがかかります。
 120°通電

   図3、 次にクランプレス通電の波形を示します。
       開放区間の誘起電圧は上下に分かれた独特の波形となります。
       クランプ電流(矢印)は完全にゼロになりブレーキは解消されています。
       これにより1~3%の省エネ効果が得られます。
  120°通電(クランプレス通電)

   図4、 さらに進角25°、PWM35kHz、相補モード、を追加しました。
       その結果、電流波形はだいぶ変わり、消費電力は18%低減しました。
       (従来方式はクランプレスなし、進角なし、PWM20kHz、独立モード)
       なお下図では通電位相角の確認のためセンサを外付けしています。
 120°通電、クランプレス通電、進角25°、PWM35kHz、相補モード

 ●従来の効率対策+クランプレス通電は大きな省エネ効果が得られます。

進角制御(120°通電)への適用
 120°通電で 進角制御を行うと効率が向上することが知られています。しかし実際には
 クランプ電流により進角を大きくするとかえって効率が低下し騒音が発生していました。
 クランプレス通電なら進角を自由に大きくすることができます。そして進角を大きくする
 ほど効率は上がり騒音は小さくなります。とはいってもゼロクロス点より前に進めると逆に
 ブレーキトルクが発生し始めることから理論上の最大値は30°までです。

   図5、 従来の120°通電にてパワー用60Φモータ(無負荷)を「進角30°」で回し
       ました。すると誘起電圧が読めない・異常なクランプ電流・電流アンバランス等
       の問題が発生し、消費電力は進角0°時に比べ2.5%増加しました。
       従ってこのモータは30°の進角制御をすると正常に回りません。
 120°通電・進角30°

   図6、 これをクランプレス通電すると正常に回転し、消費電力が10%減りました。
       区間前半に電流が流れる点はリラクタンストルク活用に有利と考えられます。
 120°通電・進角30°(クランプレス通電)
       なお進角制御による脈流の影響(振動等)は実機で確認する必要があります。

   図7、 無負荷で進角量を変えた時の、従来方式とクランプレス通電の消費電力比です。
       進角範囲は従来の10°に対しクランプレス通電は30°(理論最大値)に拡大。
       消費電力比も進角量に応じて約2~8%改善し、スパイクノイズも減りました。
       この特性は大きな進角の要求される高速回転に適し、またセンサヒステリシス
       による逆転時の位相遅れに対しても適切な進角を設けることで解決できます。
      消費電力比グラフ
 ●120°通電+クランプレス通電は、30°進角ができ効率も向上します。

150°通電への適用
 150°通電は、ゼロクロス点から30°三相通電し、区間始点から二相通電します。
 位相補償が不要で、さらにクランプレス通電も簡素化されます。
 なお150°通電手法には様々あり、上記手法はもっともシンプルな方法です。

   図8、 前記60Φモータ(50%負荷)を150°通電で回した波形です。
       相電流波形はサイン波に近くなり、高効率・静音化されます。
       しかしクランプ期間があり(赤丸部分)ブレーキ損失が発生し、
       また誘起電圧を正常に検出できず、電圧幅(矢印)も不均衡です。
 150°通電

   図9、 そこでクランプレス通電すると、消費電力がさらに2%ほど減り
       誘起電圧を検出可能となり、電圧アンバランスも解消されます。
       ゼロクロス点を検出すればタイマー省略あるいはセンサ簡素化できます。
 150°通電(クランプレス通電)

   図10、前記60Φモータで負荷を変えた時の、120°通電に対する省エネ率を
       示します。使用領域全域で5~9%の省エネ効果があることが判ります。
      省エネ率グラフ
 ●150°通電+クランプレス通電は、効率が上がり誘起電圧を検出できます。

センサレス駆動への適用
 クランプレス通電は誘起電圧を正しく検出でき、センサとゼロクロスコンパレータ
 の併用や完全なセンサレス駆動も可能となり、センサやソフトを簡素化できます。
 センサレス駆動はセンサ誤差や着磁誤差が低減されるためさらに高効率となります。
 以下にセンサレス駆動の制御フロー例を示します(全速度域閉ループ制御)
 なおセンサレス駆動技術(別ページ)も参照ください。
  センサレス駆動技術説明 
 ●センサレス駆動+クランプレス通電は、高効率・軽量化・低価格化が可能です。
  
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