挨拶

2015.12.25

投稿:代表取締役 山本清

002

平素よりお引き立ていただき感謝いたします。より良い明日の社会をめざして何ができるだろうか、零細企業ながらそんなことを考えて日々精進しています。
さて当社は、中部山岳地帯、信州南部の山国という立地条件にあり、目の前に3000m級の峰々のつらなる赤石山脈を一望できます。雄大な風景を眺めていてつくづく思うことは、自然との共存なしには経済活動は成り立たないということです。
例えば赤石山脈は南北100kmほどの屏風のような山ですが海底の岩石でできています。そしてなんと山脈の北側は地層の上下がひっくり返っていて新しい地層の上に古い地層が乗っているのです。大きな山脈が途中でアメのように上下ねじれているのです。まさに天と地がひっくり返った光景が目の前にあります。東北地震のさい海底で起こった地すべりを思い起します。ダイナミックな自然の前で我々はどう生きていくのか、そんなことを山は静かに語りかけてきます。自然を深く知ることはとても大切なことだと思います。

003

一方、田舎の零細企業がどう生きていくかも切実な問題でして、人間のことも理解しなければなりません。人を三種類に分ける話を聞いたことがあります、「権力欲求型」「親和欲求型」「達成欲求型」の3タイプです。
権力欲求型は政治や行政を指向し、たいていピラミッド型の組織を構成します。議員や官僚、軍人などがこれにあたるでしょうか。権力を欲し凡人の善悪判断は通用せず時には悲惨な結果を引き起こします。
親和欲求型は田舎に多い仲良し型です。赤信号、みんなで渡ればこわくない式の生き方で善悪の基準はなく時代や状況にただようだけです。平常時は地縁・血縁・金の縁で組織され、仲間外れが何よりも怖い人々です。
達成欲求型は科学者、スポーツマンや芸術家などで個人の能力に依存します。真・善・美など厳しい目標をめざした個性的な人が多く、優れた人ほど周囲とよくトラブルを起こす傾向があるように見受けられます。

004

さて大企業は大勢の人がいますので経営陣・製造部・開発部などに分業してこれらのバランスをとることができますが、零細企業ではそうはいきません。社長がかじを取るしかなく、私の気質(達成欲求型)を反映して独創的な技術を開発することで争いを避け企業間競争を生き抜く開発型企業に特化してきたのだと思います。
自然は独創的技術の発想の根源です。だから自然をベースにして会社を経営しています。ゆく川の流れは止められません。心を開いて自然と一体になって生きてゆこうと考えています。無理をせず争わず楽しく仕事ができて社会貢献ができたら最高ですね。

005                       006

自己紹介を少し。若いころは芸術学科に進み写真を撮っておりましたが、都会生活がいやで山の声に呼ばれて田舎に帰ってきてエンジニアになりました(そんなわけでこのHPの写真は大半が私の写真です)。以来三十年余り回路設計をしてきてつくづく感じるのは技術も芸術も同じだということです。毎回できるだけの努力をしていいものを作ろうと心がけています。創業時は特注品を受注していましたが、最近は自分たちで開発テーマを決めて技術開発するようになりました。
困難なテーマは「精神的な登山」をしているのだと思って一歩一歩登っています。非力でたいしたこともできませんが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

007