災害は忘れるからやってくる⁉

2024.02.26

文・写真:代表取締役 山本清

 今から90年ほど前、有名な物理学者で防災学者Message1
でもあった寺田寅彦は「天災は忘れたころにやって
くる」と
いった内容の名言を残しました。また「文
明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその激
烈の度合いを増
すという事実である」とも述べてい
ます。

 新年早々の能登半島地震の鮮烈な災害の記憶とと
もに東海地震や南海地震などの減災・防災も叫ばれ
ている中、地震や噴火、集中豪雨や台風などへの研
究と警戒はいくらやっても充分ということはありま
せん。

 私も数十年前から個人の立場として地質学に興味を持ち地元の山を散策したり、地質学者のお供を
して地元の集中豪雨災害について簡単な調査のお手伝いをさせていただいたりしてきました。三六災
害といわれる長野県南部の大水害の他にも大鹿村の大規模な山崩れや岡谷市の土石流災害そして御岳
山の噴火による火山災害も発生し、長野県北部の地震動や台風による水害も目の当たりにしてきまし
た。Message2

 それらを振り返りますとやはり自然は人知を超えた力があり、素人ながらまだまだ自然科学、特に
地球科学に対して真摯に取り組まなければならないとの感を深くしています。そして一人一人が生き
残るためには専門家だけでなく一般人も地球科学に対し興味を持つべきだとの思いを深くしていま
す。60年以上生きてきてつくづく感じるのは、自然災害は予測が難しいけれども結局はエネルギー
的に無理のない形に収まると言うこと、つまり川の流れは止められないということです。無理やり自
然の力を抑え込むのではなくうまくやり過ごすことです、祖先の知恵を忘れず自然と一体となること
で災害を防ぐことが大事かと思います。

 そのような観点で地元の災害を見直してみると、やれ高速道路網だリニア新幹線だといって浮かれていて自然の力を忘れている感が否めません。水没した新幹線の報道は皆さんも目にしたはずです。あの光景を見ると「災害は忘れるからやってくる」と皮肉のひとつも言いたくなります。

 そんなわけで一人でも多くの子供たちや社会人に地球科学に興味を持っていただこうとこのたび非力ながら簡単な理科教材を開発しようと思い立った次第です。地球科学、惑星科学を極める子供たちが大勢輩出することを願っています。開発した教材もおいおい発表できるかと思います、ご笑覧いただきご意見など頂ければ幸いです。
Message3